自覚症状のない鬱

自己判断ができない

気付かれにくい心の病

増えている鬱病のタイプ

どんな症状が現れるのか

正反対の行動を取るという点が大きな特徴
微笑み鬱は英語で「SmilingDepression」と呼ばれ、別名「笑顔の鬱」とも言われています。毎朝最悪の気分を抱えながらも身支度を整えて会社に出勤し、いつもと変わりなく笑顔で仕事をこなすことができます。そのため周囲はもちろん、自分自身も微笑み鬱になっていると気付いていないこともよくあります。微笑み鬱は軽度から中度のうつ病とされており、気分が落ち込んだ状態をストレスが溜まっているせいだと考えてしまう人が少なくありません。しかし実際には通常の生活を続けながらも苦しい状態はそのままですので、いつか必ず心的負担は大きくなってしまうでしょう。そして助けが必要になるときには、うつ病がかなり深刻化している恐れもあります。そのような状態から抜け出して改善させるためには、専門医の診察や心理カウンセラーによるセラピーを受けることが大切です。この場合の専門医とは精神科医や心療内科医で、知っている専門医がいない場合は主治医に紹介してもらうことをおすすめします。治療にはカウンセリングやセラピーの他、薬による薬物治療もありますので、内科的疾患を持っている場合は主治医に病状や服用薬に関する内容を記した紹介状を書いて貰いましょう。診察のほとんどは予約制となっていますので、あらかじめ予約の電話を入れて紹介状と健康保険証、お薬手帳など持参してください。
職場に行けば上司や同僚に対して笑顔で接することができる一方で、そこに至るまでの過程に大きな苦痛を伴うのが微笑み鬱です。朝布団から出るのが嫌で嫌で仕方がないのですが、仕事に行かなければならないという一心で行動を起こします。食事や身支度は最低限に済ませて、家に帰ると気力も体力も使い果たしてぐったりということも少なくありません。そんな自分の状態に罪悪感を持ち、やる気のなさを責めてしまう傾向が強く見られます。またいつも落ち込んだ気分を抱え、仕事を辞めたいというよりは人生そのものを終わりにしたいと考えていることも多いものです。これは受動的自殺念慮と呼ばれるもので、自ら命を絶つことはしないまでも、いつ死んでもいいという気持ちや偶然にも死ねたらいいと考えている状態にあります。言動に関しても自分で言ったことを覚えていなかったり、自分が取った行動について忘れていることもしばしばです。また微笑み鬱の人は誘いには快く応じるものの、いざ出かけなければならないと考えるだけで憂鬱になるという面も持っています。結局そのまま約束をすっぽかしてしまったり、これまで欠かさず通っていた習い事などがだんだんとさぼりがちになっていくのも微笑み鬱の大きな特徴です。